チェコの首都プラハは、美しい街並みやプラハ城、旧市街を始めとする歴史的な観光スポットが多く、世界中から観光客が訪れる人気都市です。
プラハは公共交通機関が発達している都市の1つ。特にオールドタウン(旧市街)は道が狭いため、車よりもトラムやバス、地下鉄といった公共交通機関を利用した観光がおすすめ!
ここでは、2023年の状況に基づいた、プラハ市内の地下鉄やトラム、バスの乗り方からチケットの買い方までを解説します。
- プラハ市内の地下鉄、トラム、バスのチケットは共通!
- 地下鉄は駅の入り口で、トラム、バスは車内でチケットが購入できる!
- 改札がないので切符を購入したら刻印機で刻印するのを忘れずに!
プラハの公共交通機関
プラハで利用できる交通手段は主に地下鉄、トラム、バスの3種類。それぞれの特徴を紹介します。
地下鉄(メトロ)

プラハの地下鉄は、3つの路線(A線、B線、C線)で構成されています。営業時間は、毎日午前5時から午後24時まで。最も混んでいる時間帯では2分間隔で列車が走っています。
- A線:テーマカラーは緑色で、東西に伸びている路線です。主な観光スポットへのアクセスに便利な駅は、マラーストラニ(Malostranská)駅(プラハ城)、スタロメスティスカ(Staroměstská)駅(旧市街)、ムスタク(Můstek)駅(ヴァーツラフ広場)です。
- B線:テーマカラーは黄色で、A線と同様に東西を走っています。主な観光スポットへのアクセスに便利な駅としては、ナメスティ・レプブリキ(Náměstí Republiky)駅(共和国広場)、ムスタク(Můstek)駅(ヴァーツラフ広場)、スメイホヴィ(Smíchov)駅(アンデル地区)などが挙げられます。
- C線:テーマカラーは赤色で、南北に伸びています。フロリーン(Florin)駅(ヴァーツラフ広場)、ナドラジ・ホレショヴィツェ(Nádraží Holešovice)駅(ホレショヴィツェ駅)などが観光でよく利用する駅です。
地下鉄の路線図と乗り換えポイント
プラハの地下鉄の路線図は下のURLから閲覧可能です。
(リンク:プラハの地下鉄路線図)
各路線は、Muzeum駅(A線とB線)、Florence駅(B線とC線)、Můstek駅(A線とB線)の3駅でしか乗り換えができません。観光時はご注意ください。

トラム(路面電車)

プラハ観光で必ず利用するのがトラム(路面電車)。地下鉄では行けない場所もしっかりカバーしています。日中は朝4時30分から夜24時まで運行していて、夜間も一部の路線で深夜0時から午前4時30分まで運行しています。
観光客が主に使うトラムは下の2路線です。
- 22番トラム: プラハ城、カレル橋、旧市街などの観光スポットを巡る絶好の路線です。
- 9番トラム: ヴァーツラフ広場やアンデル地区へのアクセスが便利な路線です。
バス(路線バス)

プラハ市内の中心部から少し離れて郊外へ向かうときはバスの出番です。営業時間はトラムと同様に朝4時30分から夜24時まで。一部、深夜0時から朝4時30分まで運行する夜行バスがあります。
なお、バス車内にチケットの券売機が置かれているため、乗車した後に落ち着いてチケットが買えます。
チケットの種類
プラハの公共交通機関では、さまざまなタイプのチケットがあります。ここでは、共通チケットの種類や購入方法、スマホアプリでの購入可否、割引チケット等について説明します。
共通チケット:地下鉄・トラム・バス

プラハ市内を走る地下鉄、トラム、バス(Airport Expressバスを除く)の乗車券は全て共通のチケットです。同じチケットで3つとも乗ることができます。
観光客が主に使うチケットは次のとおりです。
- 30分チケット:刻印してから90分間有効のチケット。乗り降りの回数制限はありません。
- 90分チケット:上記の90分バージョンのチケット。
- 24時間チケット:上記の24時間バージョンのチケット。1日3回以上、公共交通機関を使うなら、90分チケットよりもお得な場合が多いです。
- 72時間チケット:上記の72時間バージョンです。
なお、大人1人あたりのチケットの価格は以下の通りです。
有効期間 | 価格 (大人1人あたり) |
30分 | 30 CZK |
90分 | 40 CZK |
24時間 | 120 CZK |
72時間 | 330 CZK |
割引チケット

プラハの公共交通では、様々な割引チケットが利用できます。
例えば、15歳までの子供はプラハ市内の交通機関を無料で乗車できますし、60歳以上の高齢者の方も割引制度があります。
それぞれの割引対象と詳細な条件については下の公式ページをご覧ください。
リンク:プラハ統合交通システム(割引)
チケットの購入方法:地下鉄駅、トラム・バスの車内、スマホアプリ
交通機関のチケットは主に次の方法で購入することができます。
- 地下鉄の駅: 窓口や自動券売機で購入できます。なお、地下鉄の車内には券売機が設置されていません!
- トラム・バスの車内: 全てのトラムと大部分のバスの車内に券売機が設置されています。非接触型のクレジットカード、デビットカードでのみ支払い可能です。
- モバイルアプリ:スマホアプリの「PID Lítačka」でクレジットカードやApple Payを利用してチケットが購入可能です。購入してから2分後に有効となります(GooglePlay、AppStore)。
ここでは、プラハの観光客が最も頻繁に利用する地下鉄駅の券売機とトラム・バス車内の券売機でのチケットの買い方を解説します。
地下鉄駅の券売機を使ったチケット購入
まずは券売機を探します。大抵は駅の入り口に置いてあります。
2023年時点では、ほぼ全ての券売機がクレジットカード払いに対応した券売機になっていて、現金しか受付できない旧式の券売機はほとんど見かけません。
下の写真は新型の券売機でのチケットの購入画面です。プラハ空港に置かれている券売機もこの券売機です。

まずは左上をタッチして言語をチェコ語から英語に切り替え、左側の「BuyTicket」をタッチします。

次に購入するチケットの種類を選択して、右側から支払い方法を選択します。
通常はコインまたはクレジットカードが選択できます。

支払い方法を選択すると支払い画面になりますので、画面の指示に従って支払いを行います。ここで購入したチケットは必ず刻印機で刻印することを忘れないでください。

トラム・バス車内の券売機を使ったチケット購入
次に、トラムやバス車内に設置されている券売機でのチケットの買い方を紹介します。2023年時点では、全てのトラムと大部分のバスの車内にチケットの券売機が設置されています。
ただし、トラムやバス車内の券売機はタッチ決済に対応したクレジットカードしか支払いができないのでご注意ください。カードブランドはVISAとMastercardに対応しています。

トラムやバスに設置されている券売機は30分、90分、24時間の3種類しか選ぶことができません。言語は英語へ切り替えることが可能です。

欲しいチケットの券種を選択したら、機会にクレジットカードをタッチするだけです。VISAとマスターカードのみ対応しています。

機械にクレジットカードをタッチするとチケットが印刷されて出てきます。なお、この券売機で購入したチケットは、購入と同時に自動で刻印されていますので、刻印機に通す必要はありません。
荷物の追加料金について

プラハの地下鉄やバス、トラムでは25×45×70cmを超える荷物を車内に持ち込む場合は、1個あたり20CZKの追加料金がかかります。
機内に持ち込みができるスーツケースは25×45×70cmのサイズに収まりますが、預かり荷物にしたスーツケースの場合は多くがこのサイズを超過します。
大きな荷物の切符は地下鉄駅の券売機なら専用のボタンが用意されており、バスやトラムの車内にある券売機では20CZK相当のチケットを追加購入することが対応します。
乗車前の準備:刻印機での刻印方法
プラハの公共交通機関では、すでに刻印されているチケットを除いて、乗車前にチケットへの刻印が必要です。ここでは、改札がない理由、刻印機の使い方、注意点について説明します。
改札がない理由

プラハの地下鉄、トラム、バスでは、改札が設置されていないため、自主的にチケットを刻印する必要があります。これは、利用者の利便性を向上させるためであり、迅速な移動を促すことが目的です。
ただし、検札員が定期的にチェックを行っており、刻印されていないチケットが見つかると罰金が科されますので注意が必要です。なお、かなりの高頻度で検察員によるチェックを受けます。
刻印機の使い方
刻印機は、地下鉄のプラットホームやトラム・バスの車内に設置されています。なお地下鉄の車内には刻印機がないので注意が必要です。
刻印方法は以下の通りです。
- 刻印機にチケットを差し込みます。チケットには矢印が描かれており、その方向に従って差し込むことが重要です。
- チケットをしっかりと差し込んで、刻印機のレバーを押すか、ボタンを押します。これにより、チケットに乗車日時が印字されます。
- 刻印されたチケットを確認し、問題がなければ乗車してください。


注意点
刻印に関する注意点は以下の通りです。
- 乗車前に必ず刻印を行ってください。刻印されていないチケットは無効とみなされ、罰金が科されます。
- トラムやバスの車内でチケットを購入した場合は、既に刻印されているため、刻印機を通す必要はありません。
- チケットの有効期間は、刻印された時刻から始まります。90分チケットなら90分ですし、24時間チケットならきっかり24時間です。
- スマホアプリで購入したチケットは、刻印の必要はありません。ただし、検札時にスマートフォンでバーコードを提示できるようにしておいてください。特に電池切れに要注意!
地下鉄やトラム、バスの乗り方
最後に簡単ですが、地下鉄やトラム、バスの乗り方や様子を紹介します。
地下鉄の乗り方

プラハの地下鉄の乗り方は日本と同じです。
唯一の違いは改札の有無です。階段を降りていくとそのままプラットホームに出ることができます。なお、地下鉄の車内には券売機や刻印機が設置されていないため、事前に駅の入り口で購入することを忘れないでください。
電車が駅に着いたら、乗客が降りるのを待ってから乗車します。あとは、目的地の駅に到着したら、電車を降りて案内に従って出口へ向かうだけです。降車時も改札はありません。
トラムの乗り方

トラムも乗り方は地下鉄と同じです。なお、乗車時に運転手へチケットを見せる必要はありません。従って、どの入り口からも乗ることができます。
チケットを購入していない方は乗車したら車内の券売機でチケットを購入してください。かなりの頻度で検札が行われています。
トラムは全ての駅に停車しますので、降りる駅に近づいたら、そのまま降りるだけです。降車時も全てのドアから降りることができます。
バスの乗り方

最後にバスの乗り方です。
バスも運転手にチケットを見せる必要がないため、どのドアからでも乗ることができます。なお、チケットの券売機は運転手の近くに設置されていることが多いです。
降りる際は、目的のバス停に近づいたら車内に設置されている「STOP」ボタンを押します。押さないと通り過ぎてしまうので、ご注意ください。
プラハ空港から市内へのアクセス方法
プラハ空港は地下鉄や電車の駅がない珍しい空港です。プラハ空港から市内へのアクセス方法は主にエアポートエクスプレス、市内バス、タクシーの3つ。それぞれの移動方法や料金、所要時間は下の記事をご覧ください。
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