ロンドンのナショナルギャラリーの見所作品を調べる前に読むべき本

イギリスの見どころ

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「ロンドンのナショナルギャラリーに行くけど絵画が全く分からない」
「ナショナルギャラリーで見所の作品はどれ?」

この記事は、そんな方を対象に書いています。

ロンドンのナショナルギャラリーを訪れる方の大部分は、ネットで見所作品を調べるだけです。

確かに絵画に対する深い見識があったり、国内の美術館も頻繁に訪れる方は、これで良いと思います。
しかし、私のように「ルネサンスって何?」とか「印象派って何?」という人は、ネットで見所作品を調べるよりも、事前に絵画史に関する簡単な本を読んでから訪れることをおすすめします。

ロンドンのナショナルギャラリーでの絵画の見方が180度変わります!

私のように全く絵画に詳しくない人間が絵画に関する簡単な本を読んで訪れたら、こんなにも絵画の見方が変わりました!という体験談として読んで頂ければと思います。

初めて訪れた1回目のロンドン ナショナルギャラリー

私が初めてロンドンのナショナルギャラリーを訪れたのは2020年です。

全く絵画や画家に詳しくなかったので、ネットで「ナショナルギャラリーで絶対に見ておきたい作品30選」という某有名な旅行会社のページを見ながら、ロンドンのナショナルギャラリーを回りました。

2時間以上の時間をかけて作品を見て回りましたが、この時の感想は次の通りです。

  • ロンドンのナショナルギャラリーはすごい!こんなに多くの西洋画を見たのは初めてだ。
  • 宗教画がたくさん並んでる。なんとも言えない威厳を感じるぞ!すごい!
  • これがゴッホの「ひまわり」か!すごいけど、思ったよりも小さいな。

こんな感じです。いわゆる「すごい!」の連発です。

確かに、インターネットで紹介されている作品を見つけることはできました。
しかし、それだけです。他の絵画との違いは分かりませんし、細かいところまで描写されてるな程度の感想しか出てきませんでした。

絵画の本を読んでから訪れた2回目のロンドン ナショナルギャラリー

それから1年後の2021年。
再びロンドンのナショナルギャラリーに訪れる機会がありました。

訪れる前に1回目のナショナルギャラリーを思い出しても、頭に浮かんた作品はゴッホの「ひまわり」だけでした(笑)

これでは改めて訪れても意味がないと思い、今回は、事前に絵画や美術史の大まかな流れが解説されている簡単な本を読んでから行きました

これが大正解でした。
絵画に関して基本的な知識を少しでも頭に入れておくと作品の見方が大きく変わります。

イメージが伝わるように2つ具体例を挙げます。

ルネサンス期の人間中心主義の変遷が分かった

例えば、ロンドンのナショナルギャラリーにおける見所の1つである多くのルネサンス作品群。
ルネサンスとは「14世紀から16世紀までの300年間、イタリアを中心に展開した人間中心的な世界観」。
「神様中心」から「人間中心」へと物の見方が変化した時代です。

下の作品はロンドンのナショナルギャラリーで展示されているイタリアの画家チマブーエが描いた聖母マリアとキリストの絵です。
描かれたのは1280年頃でルネサンス前ということもあり、聖母子に人間味があまり感じられないことが分かると思います。むしろ顔が怖いです(笑)

聖母子と二人の天使(1280年頃)チマブーエ


ロンドン ナショナルギャラリー

次に、それから約150年後に描かれたイタリアの画家マザッチオの作品「聖母子」
顔が怖いのは相変わらずですが、聖母マリアの膝に座るキリストが「ぶどう」を食べています。
ぶどうを食べるというのは、なんとも人間味あふれる表現
です。

チマブーエの作品よりもルネサンスの特徴である「人間中心主義」が表現されてきています。

聖母子(1426年)マザッチオ作

聖母子(1426年)マザッチオ作
ロンドン ナショナルギャラリー所蔵

そして、更に100年近く経った1505年頃の作品がこちらです。
イタリアの画家ラファエロが描いたルネサンス最盛期の絵です。
頬が赤く描かれるなど、大分人間味が溢れていることが分かるかと思います。

1回目にロンドンのナショナルギャラリーを訪れた時は、こんなことに気づきもしませんでした。

カーネーションの聖母(1506年-1507年頃)ラファエロ作

カーネーションの聖母(1506年-1507年頃)ラファエロ作
ロンドン ナショナルギャラリー所蔵

聖母マリアのアトリビュート

聖母マリア

先程の3つの作品で、いずれも聖母マリアが青色のヴェールを羽織っていることにお気づきでしょうか。

聖母マリアに限らず、宗教画や神話画では、登場人物が誰か分かるように、その人物と結び付けられた小道具や持ち物等が一緒に描かれるのが一般的です。

一例として、聖母マリアを描く時は衣服を青色で表現することで、「この人が聖母マリアです」ということが誰でも分かるように表現されているわけです。

確かにロンドンのナショナルギャラリーで聖母マリアを探すと、私が見渡した限りでは、毎回青色の衣服で描かれていました。

これも本を読んで初めて知りました。
1回目のロンドンのナショナルギャラリーでは、「絵画の中心に描かれてるのが聖母マリアでしょ」みたいな感じでさらっと見てました(笑)

ロンドンのナショナルギャラリーを訪れるなら読んでおきたい本

このように、ロンドンのナショナルギャラリーを訪れるなら、ネットで見所作品をしらべるだけでなく、簡単な絵画の歴史に関する本を読んでおいて損はありません。

ここからは既に5回近くロンドンのナショナルギャラリーを訪れている私が読んで良かったと思った本を紹介していきます。

私自身が絵画に関して全くの素人だった人間です。
私と同様に全く絵画がわからない人がロンドンのナショナルギャラリーを訪れる際の参考になれば幸いです。

絵画全体の歴史について学んでおくならこの本

この2冊は特におすすめしたい本です。
宗教画、神話画、風俗画、印象画の大枠を掴むことができます!

この2冊を読んでロンドンのナショナルギャラリーを訪れたら、本当に絵の見方が180度変わりました。

とりあえず絵画に興味を持ってみたいならこの本

上記本よりも、より初心者向きです。
面白く書かれていますので飽きずに読むことができます。
とりあえず、絵画に興味を持ってみたいという人におすすめしたい本です。

ロンドンのナショナルギャラリーにある作品に特化した解説ならこの本

最後にロンドンのナショナルギャラリーに特化した本を紹介します。

ネットで「見所作品10選」とかで調べるくらいなら、この本を持っていくべきです。
インターネットのページを調べても掲載されているのは、作品名と簡単な特徴ぐらいです。

しかし、この本は各作品に対して、詳細な解説が付けられていますので、本当に読んでいて楽しめます。

ロンドンのナショナルギャラリーを観光するための基本情報

ここからは、「ロンドン ナショナルギャラリー」を観光するための基本情報です。

住所、場所、行き方

住所:Trafalgar Square, London WC2N 5DN(クリックするとGoogle Mapが開きます)

ロンドン中心部に位置しており、ロンドン地下鉄でもバスでも行けます。

最寄駅は「チャリング・クロス駅(Charing Cross)」で、駅を出るとトラファルガー・ロー広場に出ます。
トラファルガー・ロー広場の目の前ですので迷うことはありません。

また、チャリング・クロス駅でも、ロンドン ナショナルギャラリーへの案内表示が出ています。

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営業日、営業時間

毎日営業、午前10時から午後18時まで。
但し、金曜日は夜21時まで開館。

観光の所要時間

最低でも3時間程度を見ておくと良いです。

本当にゆっくりと閲覧すると半日〜1日近くかかると思います。
ただ、初めて訪れる方は3時間程度を目安に考えておけば良いと思います。

チケットの売り場や買い方

ロンドンのナショナルギャラリーは無料で入館できます。
日本の美術館の多くは有料ですので、これだけ素晴らしい美術館に無料で入れるのは驚きですね。

入館チケットは下記サイトから予約できます。
ただ、2022年7月時点で、予約しなくても10分程度で入ることができました。
予約は必須ではありません。

ロンドンのナショナルギャラリー公式サイト

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