日本では下のように言いたい放題に扱われてしまっているフリーメイソンですが、実はロンドンにフリーメイソンミュージアムがあります。
- 秘密結社
- 世界の経済を裏で支配している
- 政治的陰謀団体
「え?秘密結社なのに?博物館があるの???」と驚きました(笑)。
フリーメイソンほどに名前が知られている一方で、その実態が知られていない団体はありません。せっかくのロンドン生活、見るなら今のうちと思い、フリーメイソンミュージアムに行ってきました!
下のような質問への回答となるように記事を書きました。フリーメイソンミュージアムを観光しようと思っている人の参考になりましたら幸いです。
- フリーメイソンとは?
- フリーメイソン博物館への行き方は?
- 営業日、営業時間、入館料は?
- オーディオガイドはある?
- 見どころや観光スポットは?
フリーメイソンとは?秘密結社なの?
結局、フリーメイソンとは何なのでしょうか?
「秘密結社」とか「世界の経済を裏で支配している宗教団体」などと噂に上がるものの、結局は「良く分からない集団」というのが一般的なイメージではないでしょうか。
実は成立時期が判然としないフリーメイソン
今回ミュージアムに訪れて初めて知ったのですが、フリーメイソン自身ですら、フリーメイソンがいつできたのか、誰が始めたのかが判然としていないとのことでした。
ただ、公式見解として、中世のイギリスにおける石工職人の団体(英語で石工職人は「mason」と言います)が起源ではないかと言われています。
これほど曖昧な見解も珍しいですよね。
キリスト教やユダヤ教、イスラム教は誰が始めたのか、いつ始まったのかが明らかですし、むしろ、それが他の宗教に対する自らのアイデンティティにすらなっています。
これに対して、フリーメイソンはいつから活動が始まったのか、誰が始めたのか、フリーメイソン自身ですら分かっていないんです。。。
昔と異なる入会基準
石工職人の団体を起源としていることもあり、昔は石工職人しか入会できなかったそうです。一種の職業組合みたいなものですね。
ただ、現在では入会基準も変わり、一般の人々も他会員の推薦が必要であるものの、職人でなくても入会することができます。
実はあの人が!?多くの有名人がフリーメイソンだった
アメリカの初代大統領であるジョージ・ワシントン、日本との関係が深い人物では、日本の占領期に活躍した連合国軍最高司令官であるダグラス・マッカーサーがフリーメイソンでした。
このように、政治や歴史の中心人物がフリーメイソンであることが多かったため、昔から様々な陰謀論が生じてきました。
フリーメイソンの印(しるし)がカッコ良い
フリーメイソンといえば、この印です。これ、格好良くないですか!?
このシンボルの中で、上部は「コンパス」を表しています。また、下部の直角になっている部分は「直角定規」です。
そして、中央の「G」は、神「God」の「G」とも幾何学「Geometry」の「G」とも言われています。
このコンパスと直角定規を組み合わせたシンボルは、フリーメイソンが理系技術集団を主とする石工職人の団体を祖としていることを感じさせてくれますね。
理系の筆者としてはかなり好きなシンボルです。
余談:陰謀論の根拠と言われる、アメリカの1米ドル冊紙幣のデザイン
もう1つ、フリーメイソンのシンボルとしてよく扱われるのが「プロビデンスの目」。「神の全能の目」とか「全てを見渡す目」と言われています。
実はアメリカの1ドル札紙幣にもこのプロビデンスの目が描かれています。
この1ドル札紙幣にフリーメイソンで使われているプロビデンスの目が描かれていたため、「アメリカ経済を裏で操っているのはフリーメイソン!」なんて都市伝説が生まれました。
面白いですよね。
ただ、実際のところ、この「プロビデンスの目」はフリーメイソンに関係なく、昔からよく使われるシンボルだそうです。
また、アメリカの1ドル札のデザインが決まった公式記録を見渡してもフリーメイソンが明確に関与していると示す証拠もないとのことです。
まぁ、仮に「秘密結社」として「経済を裏で支配するのが目的」であったとしたら、フリーメイソンであることが分かるようなシンボルを紙幣に書き込まないですよね(笑)
フリーメイソン博物館・ミュージアムの観光スポット・見どころ
さて、ここからがこのブログの本題、ロンドンにあるフリーメイソンミュージアムについてです。
このフリーメイソン博物館ですが、秘密でもなんでもなく公にされています。もちろん、フリーメイソンの会員である必要もなく、誰でも入ることができます。
なお、入館料は「無料」です。ミュージアムエリアも無料で入ることができます。
場所・住所
住所:60 Great Queen St, London WC2B 5AZ
(クリックするとGoogle Mapが開きます)
「WE’RE OPEN」の旗が良いですよね。「我々が隠すものなどない!」と主張しているようにも見えます。
ちなみに近くにサー・ジョン・ソーンズ美術館があります。どちらも短時間で見ることができますので、一緒に訪れてみるのもお勧めです。

営業日・営業時間。日曜日は休館日です
フリーメイソン博物館の営業日・営業時間は次のとおりです(2022年5月時点の情報です)
月曜〜土曜:10時〜17時
日曜は休館ですので、訪問される際はご注意ください。
博物館(Museum Of Freemasonry)の展示、見学スポット
撮った写真をブログに載せても良いか聞いたところ、快く「OK!」とのことでした。
ただ、あまりに個別の展示品を掲載するのもどうかと思いますので、公式HPであったり公式Twitterに掲載されている写真と同様のアングル写真や遠目の写真だけ簡単に紹介します。
この記事を読んで興味が湧いてきたら、ぜひ訪れてみてください。ロンドン中心部からそれ程遠くなく、他の観光ついでに訪れやすい場所にあります。
あまり観光本に掲載されていません(フリーメイソンの陰謀???)。しかし、フリーメイソンミュージアムは穴場の観光スポットとしてオススメです。
5ポンドのデジタルガイド(音声ガイド)を借りよう
まず建物に入ると、他のミュージアムと同様に荷物チェックがあります。この荷物チェックはナイフとか武器を持ち込んでいないか調べるためのものです。
そして、1st floor(日本での2階)に「Nouth Gallery」があります。ミュージアムの見学は、ここからスタートするのが良いです。
なお、見学にあたり、音声ガイドを5ポンドで借りられます。英語もゆっくりですし、何よりもどこを見るべきか、館内の地図や必見の展示品についての説明が詳しく説明されています。
ぜひ借りましょう。
まずはNorth Galleryから見学をスタート
ここでは、フリーメイソンに纏わる、昔の儀礼品などが展示されています。フリーメイソンとしてのルールや考え方などの解説も紹介されていてフリーメイソンに対する理解を深めることができます。
例えば、
フリーメイソンはメンバー各々の宗教に従うことが奨励されています。
慈善活動はフリーメイソンにとってとても重要でした。各ロッジは困難な事態に直面した家族のために資金を集めました。
これは当ギャラリーで解説されていた解説文章です(拙い英訳ですいません・・・)。
フリーメイソンはそれ自体が宗教というわけではなく、各々の宗教に従うことが奨励されているんですね。つまり、キリスト教徒でもユダヤ教徒でもイスラム教徒でも良いわけです。
実際にフリーメイソンのとあるロッジにて使われていたコーランも展示されており驚きました。
ここから、フリーメイソンがキリスト教やイスラム教などとは一線を画す存在であることが分かります。慈善活動の説明なども踏まえると、フリーメイソンは宗教というよりも、組合としての互助組織に近い存在に思われます。
フリーメイソンといえば至る所で使われている様々なシンボルが有名
フリーメイソンといえば、様々なシンボルが使われていることで有名です。そして、そのシンボルの多さというか不気味さゆえに陰謀論などで扱われてきた存在でもあります。
このシンボルについて、North Galleryに解説がありました。
フリーメイソンでは多くのシンボルが使われていますが、それらは様々なところから拝借したものです。こうしたシンボルは様々な意味合いを持つことがあります。
見学はNorth Galleryだけで終わりではない
よくNorth Galleryだけ見て帰ってしまう人がいるそうですが、見学場所はNorth Galleryだけではありません。
South GalleryやLibrary、Temple、Shrineも見ることができます。先ほどの音声ガイドを借りていると館内マップと一緒にそれぞれどのように訪れた方が良いか記載があります。
例えば、Libraryではこれまでの様々な研究書籍が並べられています。見るからにすごく古そうな書籍も並んでいます。下の写真はLibraryで撮影したものですが、このLibraryも周りに様々なシンボルが埋め込まれています。
Grand Templeは必見!絶対に見るべき!
ここはフリーメイソンミュージアムを訪れたら、絶対に訪れるべきスポットです。1番の見どころと言っても良いと思います。くれぐれも見ずに帰ることのないよう、お気をつけください!
あまりに写真を掲載しすぎると、訪れた際の非日常感が失われて、楽しめなくなりそうなので、外から撮影した小さめの写真だけ載せます。
これだけでも「荘厳さ」が感じられませんか!?
何もイベントが行われていない限り、この中に入ることもできます。
私はその「荘厳さ」に圧倒させられてしまい一瞬言葉を失いました。見学に訪れた際は必ず中にも入ってみましょう。
良く見かける白黒のチェッカー柄について
フリーメイソンミュージアムでは至る所で白黒のチェッカー柄の絨毯を見かけます。
これはフリーメイソンでよく使われるシンボルの1つだそうで、「善」と「悪」、「良い時」と「悪い時」、「光」と「闇」などを意味しているそうです。
「人生は良い時もあれば悪い時も等しくあるよね。」ってことを意味しているそうです。意味深ですよね。
最後に:結局フリーメイソンとは何なのか?
で、結局、フリーメイソンとは何なんでしょうか。
A journey to be a better person.
音声ガイドの解説で最後まで頭に残ったのがこのフレーズ「A journey to be a better person.」。
私はフリーメイソンではありませんが、これまでの展示内容も踏まえ、フリーメイソンについて下のように解釈すると、その集団の実態がストンと腑に落ちました。
公式ツイッターでの紹介文も興味深い
こちらは、観光後に存在を知ったのですが、Twitterにフリーメイソン日本のアカウントがあります。そこでのプロフィール欄に記載されているフリーメイソンの説明が非常に興味深かったのでご紹介します。フリーメイソンとは何なのか、イメージが掴みやすいかと思います。
フリーメイソンについて学べる書籍
この電子書籍を読んでから博物館を訪れたら良かったと後悔したのですが、フリーメイソンミュージアムに訪れるなら事前に読んでおくのがオススメです。
フリーメイソンについて分かり易く解説してあります。
(ミュージアムで解説されている事柄も多く記載されているというか、準拠されているようにも思えます)
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